米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で開催中の天文学会(American Astronomical
Society、AAS)の年次総会で10日、米バージニア大(University of Virginia)
などの研究チームが、天の川銀河に近い矮小(わいしょう)銀河に太陽の
100万倍の質量を持つ巨大ブラックホールを発見したと発表した。
ブラックホールが発見されたのは、活発に星を生産している、
地球から3000万光年離れた矮小銀河「Henize 2-10」。
銀河核付近で強い電波が放出されているのを発見した。
これはブラックホール付近で見られる特徴的な現象だ。そこでチャンドラX線観測衛星
(Chandra X-ray Observatory)の画像を分析し、銀河核が活発に活動する
ブラックホールの影響を受けていると結論づけた。
矮小銀河が巨大ブラックホールを抱えているという例はあまり知られていない。
また、今回と同等の大きさのブラックホールが発見されたほかの銀河は、
いずれももっと整った形をしているという。
ある研究者は、「この銀河は、銀河が誕生し始めて銀河同士の衝突も盛んだった
宇宙初期に形成されたと考えられる。巨大ブラックホールを持つこの銀河の特性は、
宇宙初期にブラックホールや銀河がどのように形成されていったかについて、
重要な手がかりを与えてくれるだろう」と話している。
(c)AFP