2011年1月22日土曜日

矮小銀河で巨大ブラックホール発見、宇宙の起源の謎解明につながるか?

米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で開催中の天文学会(American Astronomical

Society、AAS)の年次総会で10日、米バージニア大(University of Virginia)

などの研究チームが、天の川銀河に近い矮小(わいしょう)銀河に太陽の

100万倍の質量を持つ巨大ブラックホールを発見したと発表した。

 ブラックホールが発見されたのは、活発に星を生産している、

地球から3000万光年離れた矮小銀河「Henize 2-10」。

銀河核付近で強い電波が放出されているのを発見した。

これはブラックホール付近で見られる特徴的な現象だ。そこでチャンドラX線観測衛星

(Chandra X-ray Observatory)の画像を分析し、銀河核が活発に活動する

ブラックホールの影響を受けていると結論づけた。

 矮小銀河が巨大ブラックホールを抱えているという例はあまり知られていない。

また、今回と同等の大きさのブラックホールが発見されたほかの銀河は、

いずれももっと整った形をしているという。

 ある研究者は、「この銀河は、銀河が誕生し始めて銀河同士の衝突も盛んだった

宇宙初期に形成されたと考えられる。巨大ブラックホールを持つこの銀河の特性は、

宇宙初期にブラックホールや銀河がどのように形成されていったかについて、

重要な手がかりを与えてくれるだろう」と話している。


(c)AFP