2011年2月27日日曜日

過酷な仕事」覚悟でシー・シェパードに参加する人たち

業務内容の説明は「給与なし、長時間勤務、重労働、危険な職場環境、悪天候多し」と、

人を寄せ付けないものがある。特に職場環境は過酷で、ある日誰かが

「勤務中」に死ぬのではないかと当局に心配されている。

 しかし、そびえ立つ波やうなる風、そして南極海で活動する日本の調査捕鯨船に

立ち向かう覚悟をジョージー・ディックス(Georgie Dicks)さん(23)が持っていなかったら、

彼女は活動家として志願していなかっただろう。

「いつだって前線で命をはっているし、それができないのなら、

ここにいるべきじゃないのよ」と、ディックスさんは「スティーブ・アーウィン(Steve Irwin)」

号の船上でAFPの取材に語った。スティーブ・アーウィン号は米国の

環境保護団体シー・シェパード(Sea Shepherd)の抗議船だ。

■「クジラを救いたい」と集まる毎年1000人の人びと

 クジラたちの生涯を日本の食卓で終わらせまいと、シー・シェパードの

抗議船には毎年およそ1000人の応募がある。

 この抗議船の乗組員になるということは、地球上で最も荒涼とした地域で

数か月間を過ごすということだ。しかし一方で、一生に一度の経験をする機会ともいえる。

「不平不満を言う人、ふかふかのマットレスが好きな人、それに弱虫」は応募しないでいただきたい、

というのがシー・シェパードの姿勢だ。

 ディックスさんは、これまでの活動を振り返り、南極海の流氷を砕いて船が進むときや、

1月初めに日本の調査捕鯨船と衝突したときなどが最もスリリングだったと語る。

「ええ、とんでもなく怖かったわ」とディックスさんは認める。「でもね、

人は物事を受け入れていくものよ。あれは、とっても緊張した1日だったわ。

とても興奮して、スリリングで、クジラたちを救うためにわたしが実際に何かしているんだって感じたわ」

 ディックスさんは、商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)の抜け穴を利用して

「科学的調査」の名目でクジラたちが殺されていくのを防ぐことができるならば、

それにともなう危険は必要な代償だと語る。「クジラを救うこと、

それはわたしが6歳のころからやりたかったことよ」。ディックスさんは甲板員として、

ほとんどの時間を船の清掃に費やしている。

■「惑星を守るため」過酷な衝突に身を捧げる

 シー・シェパードは捕鯨船に激しく衝突することで知られている。

ポール・ワトソン(Paul Watson)船長の下、過去7度の遠征で活動家たちは、

クジラと銛(もり)の間にわが身を何度も投げ出してきた。

 日本の捕鯨船に対するシー・シェパードの妨害活動が激化したのは2010年1月。

SSの超高速抗議船「アディ・ギル(Ady Gil)」号が、

日本の調査捕鯨団の監視船「第2昭南丸(Shonan Maru II)」と衝突し、沈没してからだ。

 南極海でのこうした激しい抗議行動中に死者が出る危険性もあると、当局では警告してきた。

 スティーブ・アーウィン号に乗った別のボランティア、ダグ・オニール(Doug O'Neil)さん

(37)は「危険があることは承知の上でここまで来た。

危険な仕事であることも分かっている。それでも、自分がしていることに幸せを感じるよ。

子どもたちとその未来のためにこの惑星ってものを守りたいんだ」語る。

 オニールさんはIT技術者としてのスキルを活用して、

スティーブ・アーウィン号の広報を担当している。「何かしなくちゃいけない、

と思って応募したんだ。できることはなんでもやりたい」と語る。

■「直接行動が最も有効」と協力

 ケビン・マギンティ(Kevin McGinty)さん(47)は、SSの抗議船「ゴジラ(Gojira)」

に乗るボランティアだ。「こいつは凶暴な船だよ」と、真っ黒な船体のゴジラを前に

マギンティさんは語る。「悪天候なんかものともしないね」

 マギンティさんはオーストラリア西部で電気工事の請負業を小さく営んでいる。

港に停泊中のSS船舶の電気修理を行ったのがきっかけで、今年の抗議活動に参加したという。

 SSの活動は本来オーストラリア政府がやるべきことだ、マギンティさんは思っている。

「直接行動を戦略とするシー・シェパードは、地上で最も有効な保護団体だと思うね」と語った。

■「突然、受けた啓示」

 だが、マギンティさんでさえ、3か月にも及ぶことのある活動の過酷な条件には苦笑いする。

「無給できつい環境で働きたいなら、ここが絶好の場所だよ」

 ディックスさんも不自由に思うことがあると漏らす。果物や野菜が食べられなかったり、

風速40ノットの風や荒れた天気はつらいときもあるという。

けれども、SSへの活動を通じて決して忘れられない瞬間を体験した、と語る。

 冷たさが心地よいある晴れた日、船が氷を砕きながら氷山を進んでいるとき、

ナガスクジラとザトウクジラの群れが、急浮上してきたという。

「調査船が水平線の遠くに見えていて、とても奇妙な瞬間だった」とディックスさんは振り返る。

「辺り一帯にあの美しい動物たちがいるのを見て、あの調査船の人びとのクジラに対する考え方と、

わたしたちのクジラに対する考えが、まるで異なっていることに気づいて……突然、

啓示を受けた瞬間だったわ」

(c)AFP/Madeleine Coorey








2011年2月23日水曜日

グーグル・ストリートビューで名画鑑賞可能に、ゴッホなど1000作品超

自宅にいながら、世界の名だたる美術館の中を散策し、名画を鑑賞できるサイトが1日登場した。

米グーグル(Google)がストリートビュー(Street View)

技術を駆使して作成した「Art Project」だ。

 ニューヨーク近代美術館(Museum of Modern Art in New York)、

ロンドン(London)のナショナルギャラリー(National Gallery)、

マドリード(Madrid)の国立ソフィア王妃芸術センター(Museo Nacional

Centro de Arte Reina Sofia)など、9か国、17の美術館とコラボした。

ビジターは、ストリートビューで美術館の中をきままに歩き、

壁に掛かった絵をじっくり鑑賞できる。収録されているのは

ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)や

サンドロ・ボッティチェッリ(Sandro Botticelli)など450人以上の画家、1000枚以上の絵だ。  

 超高解像度で撮影されているため、拡大して細部まで観察することができる。

好きな絵を集めた自分用のバーチャル美術館を作るアプリケーションも用意されている。


(c)AFP/Sam Reeves








2011年2月19日土曜日

ショパン全212曲を18時間連続で演奏、ピアニスト横山さんが挑戦へ

日本人ピアニスト、横山幸雄(Yukio Yokoyama)さんが1日、

自らの持つギネス世界記録(Guiness World Records)「24時間で最も多くの

音楽を1人で演奏したアーティスト」を更新するプランとして、

5月3日に都内で開催される18時間コンサートでフレデリック・ショパン(Frederic Chopin)

の全212曲を演奏すると発表した。

 横山さんは記者会見で、ショパンをもっと理解するとともに、ショパンの

ことをもっと多くの人に知ってもらいたいと語った。

 ショパン全212曲の演奏は、都内・東京オペラシティ(Tokyo Opera City)で

5月3日の午前8時に開演し、途中休憩をはさみながら翌4日の午前2時まで続く。

 横山さんは前年5月、ショパン生誕200年を記念して、ショパンの楽曲166曲を

年代順に16時間以上に及んで全曲暗譜演奏した。この業績に対し、横山さんはギネス世界記録を獲得した。

 ことしのコンサートでは、前年の166曲の他、ショパンの未発表曲46曲が演奏される。

未発表曲の中にはショパンが7歳で作曲した楽曲も含まれる。

 横山さんは1971年生まれ。16歳でパリ国立高等音楽院(Paris Conservatoire)に入学し、

同院を卒業した1990年に第12回ショパン国際ピアノコンクール

(International Chopin Piano Competition)で第3位に輝いた。

 コンサートは一般公開されるほか、都内ラジオ局が放送する。


(c)AFP








2011年2月12日土曜日

GM蚊を自然界に放出、デング熱対策 マレーシア

マレーシア政府は、デング熱対策として、遺伝子を組み換えた蚊(か)約6000匹を

パハン(Pahang)州の非居住地域に放った。このような試みはアジアでは初めて。

 政府系の医療研究所(Institute of Medical Research)は25日、

前月21日から実施したこの実験的試みが今月5日に成功裏に完了したとする声明を発表した。

それによると、放った蚊はネッタイシマカで、すべてオス。

生まれてくる子どもが生後すぐに死ぬよう遺伝子を組み換えてあるため、

デング熱を媒介するネッタイシマカの減少、ひいては絶滅が期待されるという。

 実施は、環境保護団体などの反発や悪天候のため、延期されてきた。

今回、事前の予告無く強行されたことについて、環境保護団体は26日、一斉に憂慮の声を上げた。

 活動家らは、ネッタイシマカの生態はほとんど知られていない上、

遺伝子組み換え(GM)蚊が自然界でほかの蚊に及ぼす影響についても不明だとしている。

これに対して政府は、「(子どもだけでなく)GM蚊自身も数日しか生きられないので、

害はない」と反論している。

 2010年のデング熱による死者は、同国だけで少なくとも134人に達している。

(c)AFP










2011年2月6日日曜日

いつか大空へ・・・絶滅寸前のフィリピンワシの赤ちゃん生まれる

クリッピングする拡大写真を見る写真をブログに利用するフィリピンワシの保護活動を

行う非営利財団「Philippine Eagle Foundation(フィリピンワシ基金、PEF)が20日公開した、

同国ダバオ(Davao)の施設で生まれたフィリピンワシのひな(2010年1月19日撮影、20日公開)。

(c)AFP/PEF/TATIT QUIBLAT

フィリピン・ダバオ(Davao)の施設で生まれたフィリピンワシ(学名:Pithecophaga jefferyi)

の赤ちゃん。フィリピンワシの保護活動を行う非営利財団「フィリピンワシ基金

(Philippine Eagle Foundation、PEF)が20日、公開した。

 かつてフィリピンの空に王者として君臨したフィリピンワシは現在、

絶滅の危機に瀕(ひん)している。PEFでは、米国におけるコンドルやオウギワシの

繁殖プログラムを参考にフィリピンワシの繁殖活動を行っており、

毎年1羽ずつを野生に返すことを目標としている。

(c)AFP