2010年11月27日土曜日

きみは地球を救えるか?英メーカーの斬新な「気候変動」PCゲーム

PCゲーム愛好家たちはこの冬、地球を気候変動による破滅から救うという、

困難な使命に立ち向かうこととなりそうだ。

 英国オックスフォード(Oxford)のPCゲームメーカー「Red Redemption」が開発した

戦略ゲーム「Fate of the World(世界の運命)」は、地球を気候変動や資源の枯渇から守りながら、

人口増加によるエネルギー消費や食糧需要の増加、住宅問題を解決するというゲーム。

「現代から200年後までの様々なシナリオが用意されている。地球を救うのも、

破壊するのもプレーヤー次第だ」と、ゲームを開発したゴビオン・ローランズ(

Gobion Rowlands)氏(35)は説明する。

■世界の環境政策で敏腕をふるえ!

 プレーヤーは、架空の地球環境機関「GEO」の局長として、アマゾン(Amazon)の

熱帯雨林における樹木の伐採禁止や、ヨーロッパの公共交通機関の前面電化、

アジア全域での一人っ子政策導入といった政策を策定・実施できる。

 だが、こうした政策は、深刻な余波をもたらすことも念頭に置かねばならない。

 例えば、自然資源保護を目的に出生率を低く抑えれば、労働人口が激減するリスクが高まる。

80歳まで労働を強いられることになった人々は、「GEO」に反乱を起こすかもしれない。

「もしプレーヤーが地球を破壊してしまったとしても、環境問題について多くを学ぶ

ことができるだろう」と、ローランズ氏は期待する。

■国際統計を多数利用、専門家も参加――環境団体にも好評

「Fate of the World」は、米航空宇宙局(NASA)、国連(UN)、オックスフォード大学

(University of Oxford)などの科学・経済・人口統計資料を基にしている。

また、同大の気候変動専門家、マイルズ・アレン(Myles Allen)教授も開発に加わった。

 アレン教授は、「プレーヤーは人類が実際に直面し得る決断を下す体験ができ、

簡単な解決方法などないことをはっきり理解できる」とゲームの意義を語った。

 ゲームのグラフィック面はシンプルだが、環境団体や開発団体にも好評だ。

英国を拠点とする国際NGOオックスファム(Oxfam)の英デジタルキャンペーン部門を

率いるジェド・バーカー(Ged Barker)氏は、「気候変動問題を語る新たな手段で、

これまで届かなかった人びとへのリーチ獲得にも役立つ」と、ゲームを歓迎する。

 現在、ベータ版がダウンロード提供されている。フルバージョンは来年2月公開で、

価格は20ポンド(約2700円)。3月から順次、フランス語、スペイン語、

ドイツ語バージョンを発売する。


(c)AFP/Beatrice Debut








2010年11月23日火曜日

お手頃価格のマグロ、それは本マグロじゃない

自然保護の意識が高いがすしも好きだという人が、うっかり本マグロ(クロマグロ)

を食べてしまわないための簡単なルールがある。値段がとっても高いのが本マグロだ。

 大西洋の本マグロの年間漁獲量の80%を消費する日本では、

本マグロの一切れが20ユーロ(約2300円)するのも当たり前。

2008年のマグロ主要5種の世界の年間漁獲量は400~450万トンだが、

本マグロはそのうちの1%にも満たない約2万4000トンにすぎない。

 ツナ缶の原料には、マグロ属ではなくカツオ・マグロ類の年間漁獲量の60%を占める

カツオ属の魚が使われることが多い。ツナ缶の多くは欧米市場のほか豪州や日本に向けて出荷されている。

 自然保護論者たちは、世界市場におけるマグロ属の需要が高まることで本マグロ以外の

魚種も危機にさらされる恐れがあると懸念する。その結果、価格は上昇し、

水産資源保護のため漁獲割当の強化も必要になるだろう。

 1950年のマグロ主要5種の世界の漁獲量は70万トンだったが、1970年には110万トン、

1990年には290万トン、2008年には420万トンに増加した。

 米環境NGO「ピュー環境グループ(Pew Environment Group)」の

ポリシーディレクター、スー・リーバーマン(Sue Lieberman)氏は、

「科学者らの推計によれば、現在の漁獲量を続けていれば2030年までに

海の大型魚をすべて食べ尽くしてしまう計算になる」と語った。


(c)AFP







2010年11月21日日曜日

グーグル、次世代スマートフォンに電子決済機能

米グーグル(Google)の次期携帯電話に電子決済機能が搭載され、

人びとが「タップで決済」することができるようになる、

と同社のエリック・シュミット(Eric Schmidt)最高経営責任者(CEO)が15日、発表した。

 グーグルの多機能携帯電話(スマートフォン)「ネクサス・ワン(Nexus One)」の次世代機種は、

基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」の次期バージョン「ジンジャーブレッド

(Gingerbread)」で動作し、電子決済のための短距離無線通信規格「NFC」のチップを搭載する。

 米サンフランシスコ(San Francisco)で開かれた「Web 2.0サミット(Web 2.0 Summit)」に

登場したシュミット氏は、「未発表の製品がいま手元にあるんだ」と切り出し、

「この携帯端末は商取引ができる。いずれはクレジットカードを置き換えるものになる。

業界では『tap and pay(タップで決済)』と呼ばれているものだ」と述べた。

 NFCチップには個人情報が格納され、携帯端末をタップすることで店のレジなどに

設置されたリーダー機器と通信する。製造したメーカーについては、

シュミット氏は「未発表の製品」と述べるだけで明らかにしなかった。

■「タップで決済」でネクサス・ワンの雪辱なるか

 グーグルのネクサス・ワンは、台湾の電子機器大手「宏達国際電子(High Tech Computer、HTC)」

と共同開発され、急拡大するスマートフォン市場に1月に投入された。

 しかし、アンドロイドプラットフォームで動作するネクサス・ワンはその

性能が高く評価されたものの、ヒット商品にはならなかった。

 当初グーグルは、ネクサス・ワンをオンラインストアだけで販売。

携帯電話はたいてい特定の通信キャリアとセットで販売されるが、

ネクサス・ワンをキャリアとセットにせず、キャリアからの補助金無しで販売すると

いう独自の販売方針を目指していた。

 現在はオンライン販売を終了し、小売店での販売方針に変更している。

(c)AFP/Glenn Chapman







2010年11月14日日曜日

国連の「豊かさ指数」世界一はノルウェー、日本は寿命でトップ

国連開発計画(UNDP)が4日発表した2010年版「人間開発報告書」で、

世界169か国中で最も国民生活の質が高いのはノルウェーとの結果が示された。

またアジア各国は過去数十年で最大の生活の質の向上を見せた。

 ノルウェーは、国民の年間平均所得(5万8810ドル、約480万円)ではリヒテンシュタイン

(8万1011ドル、約650万円)に及ばず、平均寿命(81.0歳)でも日本

(83.6歳)に届かないなど、いずれの分野でも首位には立たなかったが、

国民生活の豊かさを示す「人間開発指数」(HDI)ランキングで1位に輝いた。

 ノルウェーは2001年以降、2年間をのぞき、HDIで1位を維持している。2位~5位は、

オーストラリア、ニュージーランド、米国、アイルランドだった。

 一方、下位は165位からモザンビーク、ブルンジ、ニジェール、コンゴ民主共和国と続き、

最下位はジンバブエだった。

 今年で20回目の発表となるHDIは、国民の所得だけでなく、健康面や教育面、

性の平等や政治的自由といった多角的な側面から広く生活の質を評価している。

報告の主執筆者、イェニ・クルーグマン(Jeni Klugman)氏は、1970年代以降、

世界の生活の質は「著しく改善した」と述べている。



(c)AFP







2010年11月7日日曜日

ネアンデルタール人は性欲旺盛?指の長さで判断、英研究

ネアンデルタール人というと、額が狭く、口が開いていて、天気のよい日には

重たいこん棒を振り回して歩いているイメージがあるかもしれない。

しかし、彼らはある点でわたしたち現代人より優れていたようだ

――セックスのパートナーの数という点で。

 英リバプール大学(Liverpool University)のエマ・ネルソン(Emma Nelson)氏

率いる研究チームが行ったこの風変わりな調査は、ヒト亜科の指の長さと「不特定多数との性行為」

に関連があるかもしれない、というもの。

 同氏らのこれまでの研究では、胎内で浴びるアンドロゲンの量によって、

指の長さと生まれた後の行動が決まると結論づけられている。

多量のアンドロゲンを浴びると薬指が長くなり、薬指と人差し指の長さの比率

(2D:4D比)が低くなるという。

また、アンドロゲン量は競争力や複数との性行為とも関係があるという。

 今回、研究チームは、ヒト亜科のアルディピテクス・ラミダス(440万年前)、

アウストラロピテクス・アファレンシス(300~400万年前)、

ネアンデルタール人(2万8000年前に絶滅)、そして解剖学上は現在の人間と

同じ9万年前のホモ・サピエンスの化石について、この2D:4D比を分析した。

 研究の結果は?

 ――2D:4D比の低いアルディピテクス・ラミダスは好色で、

2D:4D比の高いアウストラロピテクス・アファレンシスは一途だった模様。

比率の低いネアンデルタール人と9万年前のホモ・サピエンスは、

「現代の人間よりも性欲旺盛だった可能性がある」とのこと。

 とはいえ、研究チームもこのような研究は奇抜だとはわかっているようだ。

ネルソン氏は、「指の長さの比率は、ヒト亜科の生活様式について

非常に興味深い提言をもたらしてくれる。しかし、証拠が少ないことを認めざるをえない。

確認するためには、化石がもっと必要だ」と語っている。

(c)AFP







2010年11月3日水曜日