米グーグル(Google)の次期携帯電話に電子決済機能が搭載され、
人びとが「タップで決済」することができるようになる、
と同社のエリック・シュミット(Eric Schmidt)最高経営責任者(CEO)が15日、発表した。
グーグルの多機能携帯電話(スマートフォン)「ネクサス・ワン(Nexus One)」の次世代機種は、
基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」の次期バージョン「ジンジャーブレッド
(Gingerbread)」で動作し、電子決済のための短距離無線通信規格「NFC」のチップを搭載する。
米サンフランシスコ(San Francisco)で開かれた「Web 2.0サミット(Web 2.0 Summit)」に
登場したシュミット氏は、「未発表の製品がいま手元にあるんだ」と切り出し、
「この携帯端末は商取引ができる。いずれはクレジットカードを置き換えるものになる。
業界では『tap and pay(タップで決済)』と呼ばれているものだ」と述べた。
NFCチップには個人情報が格納され、携帯端末をタップすることで店のレジなどに
設置されたリーダー機器と通信する。製造したメーカーについては、
シュミット氏は「未発表の製品」と述べるだけで明らかにしなかった。
■「タップで決済」でネクサス・ワンの雪辱なるか
グーグルのネクサス・ワンは、台湾の電子機器大手「宏達国際電子(High Tech Computer、HTC)」
と共同開発され、急拡大するスマートフォン市場に1月に投入された。
しかし、アンドロイドプラットフォームで動作するネクサス・ワンはその
性能が高く評価されたものの、ヒット商品にはならなかった。
当初グーグルは、ネクサス・ワンをオンラインストアだけで販売。
携帯電話はたいてい特定の通信キャリアとセットで販売されるが、
ネクサス・ワンをキャリアとセットにせず、キャリアからの補助金無しで販売すると
いう独自の販売方針を目指していた。
現在はオンライン販売を終了し、小売店での販売方針に変更している。
(c)AFP/Glenn Chapman