2008年4月8日火曜日

わん!ランク上の老犬生活 咳注意、4匹に1匹心疾患

★ わん!ランク上の老犬生活 咳注意、4匹に1匹心疾患
「のどに物が詰まったような咳(せき)をするのですが、
何でしょう?」 「ヘッ!ヘッ!ヘーッって咳ですか?」
そう聞き返すと、ことの重大さに気が付いていない多く
の飼い主さんは、「はい!」とにこやかに返事をします。
実はこのような咳は、心臓の弁がうまく閉じないことが原因となり、
起きることが多いのです。
心臓病が怖いのは、初期は無症状であるため、ほとんどの
飼い主さんが気が付かない事。
見た目は元気でも、すでに心臓はかなり悪くなっている
ことがあります。当院でいえば、シニアといわれる七歳以上の
犬の四匹に一匹が、心疾患にかかっています。
心臓は血液を送り出すポンプです。全身の細胞に酸素と
栄養を運び、二酸化炭素と老廃物を体外に出すため、休みなく
仕事を続けています。シニア犬になると、血管がだんだん硬くなり、
血液はスムーズに流れなくなります。そのため血液を送り出すのに
大きな力が必要となり、心臓に負担がかかります。
また心臓のなかにある、血液の逆流を防ぐ四つの弁が厚くなり、
血液の流れがうまくコントロールできなくなります。
心機能が低下してくると、肺やほかの臓器に血液がたまってしまい、
咳、食欲不振、体重の減少などの症状がみられます。
苦しそうに息をしたり、呼吸が速くなったり、運動を嫌がったりしたら、
一度かかりつけの獣医師に相談してみてください。症状が進むと、
安静時にも息切れや呼吸困難、失神、脚の浮腫などの症状が出ます。
手作りの餌の場合、塩分の多い食事は控えます。ドッグフードなら
心臓病用の「療養食」を使用するのもよいでしょう。
暑すぎたり、寒すぎたり、あるいは急激な温度の変化は、
症状の悪化につながります。シャンプーをする場合は、
湯気を吸わせないようにします。心機能の維持のため、心臓に負担が
かからない程度の適度な運動を行います。残念ながら、
心臓病が完治することはありません。症状の悪化をいかに遅くするかが、
長生きの鍵となります。循環器系の薬を与えると、症状が改善し
、生活の質が飛躍的に向上することがあります。