2008年3月31日月曜日

認知症患者の介護方法

★ 認知症患者の介護方法
認知症患者の介護には多くの困難が伴う。知的レベルの低下に
加えて、進行すればするほど「周辺症状」という厄介な
症状が出現、家族はそれに振り回されてしまうことも多いからだ。
介護スタッフ指導者を養成している認知症介護研究・
研修東京センターでは「介護は説得より納得が基本」と
説明する。認知症の中で最も多いのはアルツハイマー病だ。
この認知症は、物忘れで始まり、日時や場所が分からなく
なる見当識障害、さらにひどい知的障害が起こり、やがて
知的機能全体が損なわれてしまう。
知的障害だけならある程度、援助は可能だが、
介護する家族を困らせるのが、食事をしたのにすぐに忘れて
しまうケースや物が盗まれたという妄想、さらに不眠、徘徊、
攻撃的な言動、不潔行為などの異常行動だ。これらは認知症の
周辺症状とされる。こうした周辺症状をやめさせようと家族は
必死で説得をする。しかし、それでは患者が混乱、逆に反発を
招いて余計に事態が悪化、どうしようもなくなって家族はその
重大さに初めて気づくことも多いという。それではどうしたら
よいのだろうか。食事をしたことをすぐに忘れて「食べてない」
と言い張るときに、食べたばかりの食器を見せて食べたことを
分かってもらおうとしても反発を招くだけだ。食べた事実より
説得するよりも「これから用意するから少し待って」と
答えて時間を稼いで、その間にお菓子を食べさせるなどすれば、
食事のことを忘れて落ち着くかもしれない。「
患者の知的レベルによって、納得を得る方法も変わってくる。
問題を解決するには家族にとって心理的負担も時間もかかる。
早い段階で認知症の介護を経験した人や介護専門家の意見を
聞くことが大切」とアドバイスしている。