2011年5月21日土曜日

母乳で育った子どもは問題行動が少ない、英大研究

少なくとも4か月以上、母乳で育てられた子どもは粉ミルクで育った子どもよりも問題行動が

少ないとした英科学者らによる研究結果がこのほど、医学誌「Archives of Disease

in Childhood(幼年期疾患)」に掲載された。

 英オックスフォード大学(University of Oxford)、エセックス大学(University of Essex)、

ヨーク大学(University of York)、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University

College London、UCL)が共同で行った研究は、英国内で2000年から01年の間に出産した

母親1万37人を対象に、子どもが5歳になるまで行動上の特徴を調査したもの。

母親たちに、「親に甘えがち」「落ち着きがない」など、子どもたちの行動に

関する複数の項目を点数化して報告してもらった。

 生データの段階で、問題行動がみられたのは、母乳で育った子どもが6%だったのに対し、

粉ミルクで育てられた子どもでは16%だった。

 だが、母乳グループの母親の多くは、粉ミルクグループの母親たちに比べて高学歴で年齢が高く、

社会経済的に恵まれた環境の出身であるという傾向があった。このため、研究チームは、

こうした要因を考慮してデータを再調整した上で、粉ミルクで育った子どもたちは、

母乳で育った子どもよりも問題行動を起こす可能性が30%高いとの結論を導き出した。

 また、粉ミルクで育った子どもたちでは、より多く不安、活動過剰、うそをつく、

盗みなどの行動がみられたという。

 助産師団体Royal College of Midwivesのジャネット・ファイル(Janet Fyle)氏は、

母乳の利点を示した今回の研究を歓迎する一方で、母乳で育てることができず、

粉ミルクで赤ちゃんを育てざるを得ない母親たちが罪悪感を抱くことがないよう、

バランスをとることが必要だと釘を刺した。

(c)AFP