2009年8月5日水曜日

時の人 ~明神宏幸さん 

カツオの一本釣りで国際的な海のエコラベル取得を目指す~
資源管理や環境保全に配慮していると認められた漁業に
お墨付きを与える国際機関、海洋管理協議会(MSC)。
高知県の伝統的な一本釣りで、世界的に関心を集めるこの
「海のエコラベル」の取得を目指す気鋭の経営者だ。
「認証取得の費用は、ばかにならない額で、生きるか死ぬかの決断だった。
でも、国際的に認められれば他社との違いを強調できる」
MSCのことを知ったのは3年前。
来日中の関係者から「一本釣りはMSCの精神を具体化する漁法だ。
ぜひ、チャレンジしてほしい」と言われたのがきっかけだった。
業界団体としての取り組みを働き掛けたが団体の反応は冷たく、
「そんならおらが一人で取っちゃるわい」と決心した。
コストはかかるが、質は一級の一本釣りのカツオ。
消費者に受けることに付け込んで、巻き網のカツオを
一本釣りと偽って、安い価格で売る業者も少なくない。
「『お宅の魚の品質がいいのは分かるが、
値段が高くてねえ』と言われる。
でも、正直にやっている人の努力が認められない社会は、
絶対に間違っている」と言葉に力を込める。
「うそのない一本釣りだと国際的なお墨付きをもらったカツオを、
消費者が少しだけ高く買ってくれれば、漁師も一本釣りも、
そしてカツオも次世代まで生き残る。MSCにそんな夢を
託したのです」と言う。高知県旧佐賀町(現黒潮町)生まれの62歳。
1997年に工場を建てた静岡県藤枝市で妻と暮らす。



カツオ水揚げ日本一!本場焼津のかつお&まぐろセット