2008年10月3日金曜日

土器に“男女”と墨書

滋賀県甲賀市の紫香楽宮(しがらきのみや)(742-745年)跡で出土した皿に、
和歌で頻繁に使われた「男」と「女」を表す文字が墨書されていたことが分かり、
市教育委員会が22日発表した。紫香楽宮では、万葉集の和歌が書かれた木簡が国内で初めて
見つかっている。聖武天皇が大仏建立のために造営した仏教色の強い都とされていたが、
市教委は「歌の世界が広がり、貴族文化が栄えた側面もあったようだ」としている。
文字があったのは2004年度の発掘調査で出土した須恵器の皿(直径23㌢、高さ2㌢)の破片。
裏面に、一音に一字を当てる万葉仮名で女性を表す「伊毛(いも)」(いも=妹)と並び、
「乃古(のこ)」と記されていた。「乃古」の上には「お」の音を表す文字があり、
男性を示していたとみられるが、文字の判別はできなかった。