2008年9月27日土曜日

独身男の犬小屋的ライフ  「飼う」と「買う」

この連載もこれが最終回。ろくなことを書いてこなかった気がするが、
今となってはもう遅い。というわけで、最後くらい、ちょっとまじめに
書いてみようかな。現在、わが家で暮らす富士丸はハスキーと
コリーのミックス、要は雑種だ。あるブリーダーのところで、
発情した父ちゃんコリーが、棚をぶち破って母ちゃんはスキーを
妊娠させたんだそうな。でも、そんな子犬は売り物ならない。
だからブリーダーさんは、仕方なくインターネットの
「飼い主募集」コーナーに投稿した。それを、夜勤のバイト中に
こっそり見ていたひとりの男が後先考えずに引き取ったというわけだ。
そんな富士丸も、今年で六歳になった。そして今ではなくては
ならない大切な存在になっている。犬というのは不思議な存在で、
飼い主の心をしっかりとつかんではなさない。それは雑種だろうが
血統書付きだろうが、関係ない。だいたい犬は、自分が何という
犬種なのかなんて考えてもいない。ひょっとしたら、自分の外見すら、
ちゃんと分かってないのかもしれない。そんなことより、
飼い主から愛されることをひたすら望む。一方、人間はどうだろう。
流行や好みの犬種があり、足しげくペットショップに通って、
何十万円というお金を払って子犬を買う。そのこと自体が悪いとは思わない。実際に暮らしてみれば、多くの飼い主は犬を、それはそれは大切に
思うことだろう。しかし、ペットブームの中で飼い主から捨てられる犬が
いるのも事実。自分で選んで「買って」おいて、飽きたら捨てるとは
どういうことだろう。その犬たちがどうなるのかも、ちゃんと知ってるくせに。大金を払って売り買いされる犬たちがいる一方で、毎日意味も分からず、
殺されていく犬たちがいる。その状況に、ものすごく、違和感がある。
だから最後にこれだけは言っておきたい。自分で「飼った」んだから、
最後まで犬の面倒は見ようよ、と。そして、これから犬を迎えたいと
思う人には、「買う」以外にも方法があるということを。