2008年9月1日月曜日

タイ国王、世界で最も裕福な王族に フォーブス誌

米経済誌「フォーブス(Forbes)」は21日、世界で最も裕福な王族に推定資産350億ドル
(約3兆8000億円)でタイのプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王
(80)を選出した。プミポン国王は、第2位に選出されたオイルマネーで潤う
アラブ首長国連邦(United Arab Emirates、UAE)大統領のハリファ・ビン・ ザイド・ナハヤン(Khalifa bin Zayed al-Nahyan)アブダビ首長(60)を資産額で大きく引き離した。
プミポン国王は、世界最長の62年間にわたって王位の座にある。他の国王と比較して、
資産の透明性が高かったことがプミポン国王の1位獲得につながった。
フォーブス誌は、タイ王室の資産管理当局は今年に入りバンコク市内の3493エーカー
(約14平方キロ)の土地を含む広大な所有地を開放したことなどで、
これまでにない資産公開が行われたとした。
また同誌は「世界の王族長者の上位15人の資産総額は、前年の950億ドル(約10兆4000億円)から
1310億ドル(14兆3000億円)に増加した」とし、王族にとって良い投資環境の年だったと評価した。
原油価格の高騰が影響し、中東やアジアの石油産出国の王族が長者番付の上位を独占した。

第2位のハリファUAE大統領は、アブダビ首長国の豊富な石油埋蔵量に支えられ、
推定資産が230億ドル(約2兆5000億円)となった。

3位には、2005年に王位に就いた世界最大の石油輸出国サウジアラビアの
アブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王(84)が、
推定資産210億ドル(約2兆3000億円)で選出された。

前回1位だったブルネイのハサナル・ボルキア(Hassanal Bolkiah)国王(62)は、
推定資産200億ドル(約2兆2000億円)で4位となった。ブルネイは、東南アジアのボルネオ
(Borneo)島にある小国で、豊富な石油埋蔵量で潤ってきた。
ボルキア国王の資産が減少傾向にあることについて、フォーブス誌は、
「600年の歴史あるイスラム王朝を継承したボルキア国王は、石油埋蔵量の枯渇から
石油生産量を削減せざるを得なかった」と説明した。

5位は、推定資産180億ドル(約1兆9000億円)でドバイのムハンマド・ビン・ラシド
(Mohammed bin Rashid)首長(58)が選出された。

6位には、欧州から王族長者入りした2人のうち、リヒテンシュタイン元首のハンス・アダム2世(
Hans-Adam II、63)が資産50億ドル(約5500億円)で選出された。しかしながら、
アダム2世の主要資産は、米人富裕顧客の脱税行為をほう助した疑いで米国が
調査しているLGT銀行(LGT Bank)が管理している。 (c)AFP