世界で最も薄い素材「グラフェン」についての研究で2010年のノーベル物理学賞を受賞した
物理学者2人が24日、グラフェンを電子レベルで研究するための方法を考案したと発表した。
グラフェンは炭素原子1個分の厚さのシートで、ハチの巣状の六角形の格子構造を持つ。
化学的には非常に単純だが、極めて強度があり、電気を通し、熱を放散し、透明性が高い。
次世代コンピューターの半導体や、タッチスクリーン、電気機器などへの応用に関心が高まっている。
ノーベル物理学賞受賞のロシア出身の物理学者、アンドレ・ガイム(Andre Geim)氏と
コンスタンチン・ノボセロフ(Konstantin Novoselov)氏は英科学誌
「ネーチャー・フィジックス(Nature Physics)」に論文を発表。
グラフェンの特性をさらに理解するため、真空の状態でのグラフェンシート上の電子の
相互作用を詳しく分析したという。2人の研究によると、電子の移動速度は極めて速く、
しかも光子のようなふるまいをしていた。
「今回の特定の実験で発見した驚くべき物理特性は、実際の電子機器への即時活用もあるかもしれない。
だが、この物質の電気特性をさらに理解することで、グラフェンエレクトロニクス分野の
開発にさらに一歩近づくことになるだろう」と、ノボセロフ氏は声明で述べた。
(c)AFP
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