2010年12月25日土曜日

ビデオゲームで野菜・果物の摂取量増やせる、米研究

米国で増え続ける子どもの肥満。その主な原因の一つとして名指しされてきた

ビデオゲームを使って子どもにヘルシーな食材をもっと食べさせることが可能だとする研究結果が、

7日の医学誌「American Journal of Preventive Medicine(米予防医学ジャーナル)」に発表された。

 米ベイラー医科大(Baylor College of Medicine)の研究チームは、

米国で行った調査で、「Escape from Diab(糖尿病からの脱出)」や「Nanoswarm(ナノスワーム)」

など、肥満や糖尿病リスクを減らすべく食生活や生活習慣の改善を訴える「まじめな」ゲームを

やった子どもたちは、1日あたりの野菜と果物の摂取量が「一皿分」だけ増えることがわかった。

 野菜と果物の摂取量の増加は肥満リスクの減少と関連づけられてきたため、

この発見は子どものぜい肉を減らす上で有用な前進だ。

 研究を率いたトム・バラノウスキ(Tom Baranowski)教授によると、

「Escape from Diab」と「Nanoswarm」は壮大なアドベンチャーもので、各場面に、

習慣を変えるためのさまざまな手順が織り込まれている。両方のゲームを数回プレーしたあとでは、

野菜と果物の摂取において顕著な効果が認められたという。

 以上は良いニュースだが、悪いニュースもあった。こうしたゲームをやったあとも、

子どもたちの運動量は増えなかった。また、野菜と果物の摂取量は増えたものの、

医師が推奨する1日あたり摂取量の下限には届かなかった。

 バラノウスキ教授は、「(食生活や生活習慣に関する)まじめなビデオゲームは有望ではあるが、

若者への効果や、行動に変化を起こすメカニズムについてさらに

詳しく調査する必要がある」と話している。


(c)AFP