2010年3月12日金曜日

アジアの少子高齢化は「気候変動」と同じくらい深刻、専門家

アジアにおける長寿命化と少子高齢化は、気候変動同様に深刻な問題になりうると、

2月1日シンガポールで開催された年金業界の会議で専門家が警鐘を鳴らした。

 会議に出席した国際アクチュアリー会(International Actuarial Association)の

イブ・ゲラール(Yves Guerard)事務局長は、「アジア地域における少子高齢化の諸問題が

世界経済危機からのアジア経済の回復を困難にしている」と述べた。

老齢人口依存比率も上がるとして、「少子高齢化はアジアにとって深刻で

緊急を要する問題」であると述べた。

 さらに、気候変動問題と比較し、地球温暖化に警鐘を鳴らした

アル・ゴア(Al Gore)元米副大統領の著書「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」

になぞらえて「(少子高齢化も)信じたくはない不都合な問題だ」と述べた。

 シンガポール生命保険協会のTan Hak Leh氏は、アジアの60歳以上の人口は2050年までに、

欧米の60歳以上の人口の4倍にあたる12億人になるとの予測を発表した。

高齢化が最も進む世界10か国のうち、アジアからは日本、シンガポール、

韓国、香港がランクインしているという。

 ゲラール氏は、高齢化社会の問題の1つの解決策である退職年齢引き上げへの

取り組みがあまり進展していないことも指摘した。

 オーストラリアは1日、高齢化社会がもたらす景気後退を回避するためとして、

4300万豪ドル(約34億円)の高齢者の雇用維持支援計画を発表している。



(c)AFP



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