2009年10月16日金曜日

サイバー密輸が脅かすカメルーンの霊長類

キキはおとなしくて、とても愛嬌(あいきょう)があるチンパンジー。

新しい家族を待っています」――インターネット上には、中央アフリカのカメルーンで

捕獲された霊長類を売り込むこのような広告が増えている。

 広告は専門のウェブサイトに掲載されることが多い。米国、マレーシア、オランダ、ベルギー、

南アフリカで需要が高く、特にゴリラやチンパンジーが人気だという。

霊長類の売買が禁止されているカメルーンでは、このような広告は違法性が高い。

にもかかわらず、現地の環境保護団体ラガ・カメルーン(Laga-Cameroon)によると、

こうした広告により過去3年間で絶滅危惧(きぐ)種の取引が大幅に増えたという。

 違法取引の利益は大きく、地元で75ユーロ(約1万円)程度で取引されるチンパンジーの

赤ちゃんが外国ではその100-200倍の値が付く。


スイス・ジュネーブ(Geneva)のワシントン条約事務局のジョン・セラー(John Sellar)

氏はAFPに対し電子メールで、インターネットで野生動物の違法取引が容易になっている

ことは確かだが、金をだまし取るだけの事例も相当数にのぼり、

違法取引の規模を判断するのは難しいと述べた。

 野生動物の違法取引に詳しいある専門家は匿名を条件に、政府機関、銀行、空港、

警察が腐敗し、内部に共犯者がいることが障害になっていると指摘した。


(c)AFP/Reinnier Kaze


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