2008年12月1日月曜日

WWF、環境版「信用収縮」の危険性を指摘

民間自然保護団体、世界自然保護基金(World Wildlife Fund、WWF)は11月29日、
報告書「生きている地球(Living Planet Report)」を発表し、枯渇しつつある地球の恵みを無謀に
借りることで地球を環境的「信用収縮」に追いやっていると警告した。

 森林や水、土、空気、生物多様性などの自然資産への高まる需要は、世界が資源を再生できる
能力をすでに3分の1上回っているという。

「われわれの需要が今と同じ速度で増加を続ければ、2030年代半ばまでには生活様式を維持するために
地球2個分が必要になる」とジェームズ・リープ(James Leape)事務局長は語った。

 経済危機で金融機関の救済に要する費用は巨額ながらも、環境へのダメージで毎年失われる
価値あるものに比べれば小さなことだ。

 欧州連合(EU)の研究によると、生態系の悪化で人類は毎年世界各地で
2-5兆ドル(195-488兆円)相当の自然資産を失っている。     (c)AFP/Marlowe Hood